サッカーの下半身トレーニングメニューとして効果的なものがあったら教えてほしい。
登山が効果的です。「えっ、登山?」と思われるかもしれませんが、動的バランス能力(片脚スクワットの安定性)、20m走、50m走、スローイン、アジリティ、Yo-Yoテストの6項目において効果的であったと言われています。
対象はサッカーとありますが、バスケットボールや野球など競技は問いません。部活動の下半身トレーニングメニューとして検討してみてはいかがでしょうか。
登山とサッカーの共通点
登山では平地に比べて足場が悪く、そのような状況下で長時間歩き続けなければなりません。したがって、バランス能力や下半身の筋力が必要になります。
サッカーは主に下半身を使って行われるスポーツであり、ダッシュやジャンプ、ボディコンタクトなどスピードとパワーが要求されます。
そんな登山とサッカーの共通点として「バランス能力」「下半身の筋力」が挙げられます。以下、具体的に見ていきましょう。
登山トレーニングについて
古川知紀らが以下のような研究を行っています。
- 【対象】大学サッカー部に所属する12名
- 【内訳】サッカーのトレーニングのみのグループ6名
サッカーのトレーニング+登山トレーニングのグループ6名 - 【登山コース】標高差710m、全長距離11,500m
- 【登山トレーニングの頻度】週2回、計6回
- 【評価】動的バランス能力(片脚スクワットの安定性)、20m走、50m走、スローイン、アジリティ、Yo-Yoテストを登山トレーニングの前後で比較
登山トレーニングの結果と考察
登山トレーニングを加えたグループのほうが「動的バランス能力(片脚スクワットの安定性)、20m走、50m走、スローイン、アジリティ、Yo-Yoテスト」の6項目において、有意に効果を認めました。
登山トレーニングでは、登りでは筋力、下りでは筋力と神経系を発達させます。これらの要因により下肢筋力が増加した結果、上記項目の効果に繋がったと結論づけています。
ただし、ここでいう筋力増加とは筋肥大ではなく、筋出力の向上による影響が大きかったではないかと推測されます。いずれにせよ、登山トレーニングが良い刺激になったことは間違いさなそうです。
登山トレーニングの心得
登山トレーニングをするとしたら、きっと里山などの低山になると思います。とはいえ登山は登山のため、念のために登山の心得を列挙しておきます。
- ケガ(とくに足関節捻挫)に注意しましょう
- できればハイカットの登山靴を履きましょう
- 水分を携帯しましょう
- 非常食(行動食)を携帯しましょう
- 季節に適した服装を心掛けましょう
- 危険個所には近寄らないようにしましょう
- 事前に天気予報を確認しましょう
- ゴミは持ち帰りましょう
まとめ
繰り返しになりますが、登山トレーニングにおいて動的バランス能力(片脚スクワットの安定性)、20m走、50m走、スローイン、アジリティ、Yo-Yoテストの6項目において有意に効果がありました。
サッカーに限らずバスケットボールや野球など、登山は下半身のトレーニングとして有用と考えられます。トレーニングにちょうど良さそうな山があったら、トレーニングメニューとして検討してみてはいかがでしょうか。
参考資料
古川知紀:サッカー選手における登山トレーニングの効果について
コメント
初めまして。
この、サッカー選手における登山トレーニングの効果についての論文は私の卒業論文です。
記事にしてもらえて嬉しいです。
ありがとうございます。
はじめまして。
まさかご本人様からコメントをいただくとは…大変恐縮しております。
勝手な引用および解釈が誤っていたら大変申し訳なく思います。
私自身、登山が趣味なもので、登山がトレーニングに役立つってのが大変興味深く感じました。
こちらこそありがとうございました。