【認知症の初期症状】見逃さないための3つの質問

認知症

最近、両親がボケてきた気がする。受診するべきなんだろうけど、その前に簡単なテストがあったら知りたいな。

認知症の初期症状を見逃さないための簡易的なテスト(3つの質問)をご紹介します。

※以前、認知症専門医の下で勉強していました。ここでは認知症に関して得られた知見などを少しずつ公開していきます。

認知症の初期症状を見逃さないための3つの質問

ある地域のもの忘れ検診で実際に行っているスクリーニング方法(ふるい分けの質問)です。

  • 最近のニュースではどんなことがありましたか?
  • 今の季節は何ですか?
  • 今日は何月でしょうか?

つまり「日常の記憶=もの忘れ」の程度を聞いています。認知症の初期症状の多くはなんと言っても「もの忘れ」です。これを見逃さないことが非常に大切です。

質問する際は上記のようにかしこまった聞き方をする必要はありません。何かしら日常会話の中で自然に聞いてみると良いかと思います。

テストの流れ

最初の質問でニュースが「わからない」「気にしていない 」「ニュースは見ない」「的外れな答え」などの場合は誤答とし「かかりつけ医に要相談」とします。

どのくらい役に立つのか

有用性は1%程度です。認知症を発見できる可能性は1/100人ということですね。大したことないなと思われるかもしれませんが、このくらい簡易的なテストで認知症の可能性を探れるのは大きなメリットでしょう。

ちなみにもっと専門的なテストでの有用性は6.2%~16.8%なので、6-17/100人くらいの割合で認知症を探れます。なかなかテストだけで把握するのは難しいのが認知症とも言えますね。

認知症の概要について

日本は高齢化の進展に伴い、認知症高齢者が増加し、2025年には認知症の有病者数が700万人に至ると推計されています。認知症を早期に発見し対応することで、認知症の進行を遅らせ、重度の要介護状態を予防し、地域で安心して暮らすことができます。そのためにも早期発見・早期対応は、地域で認知症の人とその家族を支えるために、早急に取り組まなければならない重要課題になっています。

https://www.mhlw.go.jp/index.html 厚生労働省ホームページより引用

もの忘れ検診について

全国のいくつかの自治体で開催されています。詳細に関しては「もの忘れ検診 ○○○市」のように、各自治体名を入れて検索してみましょう。

まとめ

最近のニュースではどんなことがありましたか?今の季節は何ですか?今日は何月でしょうか?といったごく簡単な質問で認知症の兆候を探る方法を紹介しました。「試してみる」という言葉は不適切かもしれませんが、まずは自然な感じで聞いてみると良いかもしれません。

繰り返しになりますが、認知症の初期症状の多くは「もの忘れ」です。これを見逃さず、早期発見・早期治療に努めましょう。 ご不安な方は速やかに「かかりつけ医」に相談してみましょう。

参考文献

北区における「もの忘れ検診」の取り組み 新潟市医師会報 No.594 2020.9

コメント

タイトルとURLをコピーしました